フランスには、250以上もの競馬場が存在します。世界でも有数、欧州一の競馬場大国なのです。大きなフランスの町には、数箇所、小さな町でも競馬場が存在するのがフランス。
フランスは、また、観光大国でもあり、花の都パリだけではなく、多くの世界遺産を抱えています。
その観光地と、競馬場を組み合わせて、地方競馬に出かけるというのが、この国の楽しみになるわけです。
かの有名な、モン・サン・ミシェルが見える競馬場もあれば、大聖堂が見える競馬場、パリなら、エッフェル塔が見える競馬場もあるわけです。パリとその近郊でも、10の競馬場を数えることができます。
フランス地図に、競馬場をプロットすると、西側半分に競馬場は偏っています。
馬産地のノルマンディー、その南のアンジュー地方、半島のブルターニュ地方、赤ワインの名産地アキテーヌ地方が特に多くの競馬場を抱えます。
ノルマンディーの王が英国の王になり、続いて、アンジューの王が英国の王になり、アキテーヌの王妃が、英国王妃となり、フランスの左半身は、英国領でもあったことが、理由であるかどうか?
アキテーヌのポーなどは、英国で盛んな障害が有名であるし、地理的にも歴史的にも、西フランスは、英国とのつながりが濃い。
アイルランドというえば、ケルトですが、フランスのケルトといえば、ブルターニュ。
これも、競馬場の多いエリア。
地歩観光と競馬場の旅コラボは、ずいぶんと楽しいもの。
東に目を転じると、ストラスブールは、ドイツの馬も参戦多く、ドイツの競馬ファンもずいぶんやって来る。
バーデン大賞で有名な、バーデンバーデンも結構近い。
南東コートダジュールは、競馬場が少ないけれども、カーニュ・シュル・メールの競馬場は、平地、障害、速歩のレースが行われ、有力イタリア馬などの参戦もある。ボルドーエリアでは、スペイン馬の参戦も多い。
これだけ多くの競馬場があるが、その開催日数はしれている。年1回なんてところもあるのだ。
だから、事前に、きっちり調べておく必要もあるし、日本と違って、直前にも、本当に開催されるか?現地情報をチェックしておく必要はある。こういう、いい加減さが許されない日本とは違うし、そもそも、海外からの旅行客相手に商売しているわけではないのは、日本の地方競馬を考えれば同じである。
競馬が興行として、成り立つためには、人が集まらねばならない。
だから、人が集まるような時期に、競馬が開催されていることも多い。
夏の海、お祭りやイベントをチェックして、近くの競馬場を探すという手もある。
フランスでは、デフィ・デュ・ギャロという地方中距離、クラシックディスタンスのリステッドシリーズや、GNTといわれる、速歩おG3シリーズ、トロフェヴェールと呼ばれる、芝の速歩シリーズ、クリスタルカップと呼ばれる、フランス他で行われる障害レースシリーズなどが、地方競馬場で行われる。
これのスケジュールをチェックしておくと、有名な騎手や、それなりに名の知れた馬のレースを観戦することも可能だ。
交通手段の限られた競馬場が多いため、お金か体力のどちらかが必要となることもある。
歩くか?、タクシーか?、レンタカーか?という選択を迫られることもあるのだ。